にゃむこのメモ帳

読了本の感想を中心に、その他もろもろ。たまには猫のミルクさんも登場するよ。

2013年06月



内容(「BOOK」データベースより)

まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。

駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦がころがりこんだ。

ペットあずかりに塾の送迎、納屋の整理etc.―ありふれた依頼のはずがこのコンビにかかると何故かきな臭い状況に。

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『―番外地』を読むために、新刊扱いの時に読了したのを改めて再読。

行天の過去に対して負い目を感じている多田、一方それを特に気にせず飄々と生きる行天、高校卒業以来二人の間で止まっていた「時」が久々の再会をきっかけにゆっくりと動き出した感じ。

再会までにお互いがそれぞれの人生で経験した色々をベースに、便利屋として一緒に働くことで一匹狼同士が互いに歩み寄っていく、けれど適度な距離を保ってべったり馴れ合いのもたれかかりがない感じがいい。



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内容(「BOOK」データベースより)

激臭を放つ粘液に覆われた醜悪な生物ヌメリヒトモドキ。

日本中に蔓延するその生物を研究している私は、それが人間の記憶や感情を習得する能力を持つことを知る。

他人とうまく関われない私にとって、世界とつながる唯一の窓口は死んだ妻だった。

私は最愛の妻を蘇らせるため、ヌメリヒトモドキの密かな飼育に熱中していく。
悲劇的な結末に向かって…。

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ページ全体に少しの隙間もなく、びっしりと記された不気味なヌメリヒトモドキに関する事例。

読み進めるにつれ、本を持ちページを繰る手指がそれのネチョネチョと臭気を次第にまとわりつかせていく錯覚に陥った。

亡くした妻に対する喪失感の大きさが、罪悪感を上回るほどの期待感となり研究員にあるまじき禁断の試みへと主任を走らせる。

でも目的を達するまでの過程を愛しちゃったね。

ラストは丁寧にお膳立てしたのを強烈な卓袱台返し一発喰らった感じ。

蛇足だが、カンナミ研究員、主任を欲するあまりとは言え、あんたその一言は死亡フラグだよ(笑)



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画像2

BOOKOFFの105円コーナーに1巻だけありました。
経年によるかなりの茶ヤケや古臭いニオイ等ありましたが、あのキャンディ・キャンディを安価で入手できる数少ない機会を逃す訳にはいかず、即買でした。

自身が小学生の頃、1970年代後半に放映していたテレビアニメの内容は殆ど覚えておらず(因みにOP主題歌は今でも歌えるw)、原作コミックもこれが初読み。

この日、読み始めたのは午前0時を過ぎていたのですが、2時間ほど夢中で読み切ってしまいました。
何十年経っても少しも古臭くなく、新鮮ですらありました。

1巻の内容をざっくりと書くと、
米国内の孤児院での生活から12歳で富豪の養女になり、諸事情により渡英し、留学先での学院生活、そこでの退学危機を直前回避も自らの意思で退学、渡米し再び孤児院に戻るまで
となります。

キャンディは裏表の一切ない真っ直ぐな娘ですね。
出自の不遇(孤児院育ちや身なし子等)を理由にいじめられても少しも恥じることなく前を向いていられるのは、周囲の暖かい愛情が彼女に注がれているからでしょうか。

それにしても、彼女の生き様に惹かれる男性の多いこと。
主要メンバーはほぼ全てキャンディに好意を持っているというw
もちろん僕もその一人。

巻末でどうやらやりたいことを見つけつつあるキャンディの、今後の成長と物語の結末が大変気になります。



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内容(「BOOK」データベースより)

郊外の一戸建てに住む主婦、純代は、夫の脩一と一人娘の佳乃と共に、平凡ながらも幸せな毎日を過ごしていた。

ある日、パートのシフトカットを受けて、家の不用品をオークションに出そうと考えた純代は、スーツケースのなかから見知らぬセーラー服を見つける。

パート先で聞いた制服泥棒の話が頭に浮かび、純代は夫への疑念を抱くが―。

主婦の転落人生を圧倒的なリアリティで描いた、傑作サスペンス小説。

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平凡で幸せな毎日を過ごす主婦・純代がとあることをきっかけに、タイトル通り加速度的に『堕ちる』人生を歩む。

久しぶりに終始イライラしながら読了した本だ(褒め言葉)。
行動がことごとく空転する純代に、身勝手な夫に、反抗期を迎えつつある小6の娘にイライラしっぱなし。
純代の焦り、夫のやるせなさ、多感な娘、それぞれに感情移入できてしまうところがその原因のようだ。

ラストは夫より自分と娘を守る最善策(と思われる)行動を起こした純代だったが、家族三人の生活が壊れることを途中までかなり懸念していたのではなかったか。



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内容(「BOOK」データベースより)

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。
職場の人間関係に悩むアキヒロ。
駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。

犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。

他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。

奇妙な同棲生活が始まった―。

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目の見えないミチルと職場での人間関係に悩むアキヒロ。
周囲から孤立した二人が、はじめは言葉も交わさないまま次第に心を通わせていく姿が愛おしい。

ミチルの心理状態が細部まで細やかに描写されていて素直に感情移入できるし、彼女の家に潜んで以降アキヒロがそっと行動を起こす時の緊迫感がリアルでなおかつスリリング。

二人でシチューのシーンも良かったが、ミチルがアキヒロに助けられながら喧嘩したカズエの家まで歩いていくシーンがとても印象的だった。



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