にゃむこのメモ帳

読了本の感想を中心に、その他もろもろ。たまには猫のミルクさんも登場するよ。

タグ:逢坂剛


百舌シリーズ第五弾。

円熟味を増した大杉と美希が警察の暗部に切り込みます。

これまでのシリーズ四作品よりも事件のスケールは縮小された感が強く、また大杉も美希もそれなりに歳を重ねて現場を離れて久しいせいか、尾行に気付かれたり逆に尾行されたり、とブランクを感じさせるシーンが描かれています。

シリーズ一作目から出ずっぱりなのは、大杉と美希しかいないんだし、もはや「百舌シリーズ」に括らなくてもいいのではないでしょうか。
すでに亡くなった倉木と百舌の存在感が強烈すぎて、「百舌シリーズ」とすると、どうしてもバイアスが掛かってしまうので、本作の内容自体は面白いのに素直に楽しめない気がします。

また、犯人との死闘で主人公が九死に一生を得るものの、事件の真相が有耶無耶にされてしまうのも、このシリーズの予定調和なところでしょうか。



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百舌シリーズ第四作。
首筋に千枚通しを一突きに刺し立て、現場には羽根の遺留品。
鮮やかな殺しの手口を真似て、かつての二大事件の関係者を次々と抹殺していく「新生・百舌」。

一向に正体を掴めない「百舌」を、戦友である美希と大杉が追いかけます。

過去の事件に深く関わった関係者を、こうもサクサクと葬り去るのはシリーズ物としていかがなものか。
最後には、重要ポストであるかの御仁まで殺されてしまいます。

警察が臭い物に蓋をするラストにもガッカリでした。

また、美希の性格・立ち居振舞いなども、当初とは別人のイメージです。
初期のクールビューティさはどこに行ったのでしょう?
シリーズ一作目の美希の路線のままでいってほしかったです。

・・・ということで、「百舌3部作」で良かったようにも思います。
ここまで来たら、毒を食らわば皿までモチロン次も読みますけどね。

600頁超でも読ませる疾走感は、相変わらずお見事でした。



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百舌シリーズ三作目です。
前二作と異なり、(「百舌シリーズ」と銘打たれていますが)百舌は登場せず、物語も警察内部の不祥事・腐敗に主眼が置かれています。

今作は、倉木の妻となり母となった美希が、とある事件で負った私怨を晴らすべく、公安の警察官としてではなく母として暴走します。

その暴走を、時にブレーキをかけ、時にアクセルを踏みながら、公安の監察官となった夫である倉木や警察を退官して私立探偵となった大杉が支えます。
倉木はクールに、大杉はホットに、と対照的な二人のオトコ。

また、事件の裏側にある陰謀のスケールの大きさは、シリーズを通しての共通項ですが、(美希の行動も含め)今回の内容が三作中、最も漫画的でした。
そしてラストの衝撃度もまた、シリーズ一でした。

私が登録しているサイト「読書メーター」のレビューでは、今作の展開に賛<否の傾向があるようですが、個人的には実は今作が一番好きでしたね。


「百舌」は出てこないし、衝撃のラストだし、果たして「シリーズ」として成り立つのかどうか気になるところです。
続けてシリーズ四、五作目を読んでみることにします。



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百舌シリーズ二作目です。
表紙(地上波ドラマ配役=香川照之)から推察されるとおり、メインが前作の倉木警部(同=西島秀俊)から大杉警部補にシフトしており、彼を軸にストーリーは展開していきます。

前作に引けを取らない血生臭さ漂う中で、大杉警部補が実に人間味溢れる立ち居振る舞いを見せてくれます。
アツくてカッコイイ。

一方、倉木と恋仲になった美希には、公安の警察官であることよりも「女」の部分が色濃く出ていて、前作ほどのクールビューティさには若干欠けてしまいました。
前作同様のクールさを期待していたのですが、ちょっと残念でした。

そして、とある場所に登場人物たちが一堂に会し事件の種明かしをするラストは前作同様ですが、ここでのどんでん返しには意表を衝かれました。


現在地上波TBS系列で放映中のドラマの第二シリーズは、プラットフォームが衛星放送のWOWOWになりますが、おそらく本作を原作としているのでしょう。

本作には前作以上の暴力シーンや激しい濡れ場などもあり、映像化にはやはり民放地上波ではなく衛星放送で致し方なしかな、と思います。
観たいけど、現在WOWOWを観られる環境にないのが残念ですが。

続けてシリーズ三作目を読みます。



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現在地上波TBS系列で放映中の連続ドラマを観つつの原作です。
ドラマから受けた印象以上にハードボイルドで、『国境事変』(誉田哲也著)よりも重厚と思える公安×警察小説でした。

「百舌」に抱く違和感、新宿爆弾事件の真相、黒幕の正体・・・気になるこれらが読み手の推進力となり、グッと作中に引き込んでくれます。

最後は想像だにしない展開に息を呑むばかりで、久しぶりに寝食を忘れて一気読みしてしまいました。
魅力的なこのシリーズ、あと4作あるのですが、追いかけて読んでみたいです。

因みに、TVドラマの続編はWOWOWで放映するようですが、私はそれを観られる環境になく、業界の「大人の事情」というヤツがたいそう恨めしいです(苦笑)



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